少し遅くなったけどBerlinaleの事を。

今年はおそらく自己最高記録、7本みました。

うち3本は義務だと思って原発関係。
「Nuclear Nation」

http://www.berlinale.de/en/programm/berlinale_programm/datenblatt.php?film_id=20123182

無人地帯」

http://www.berlinale.de/en/programm/berlinale_programm/datenblatt.php?film_id=20126207

「friends after 3.11」

http://www.berlinale.de/en/programm/berlinale_programm/datenblatt.php?film_id=20126737


無人地帯」は、「タルコフスキー・フォローワー」という事前評を見ときの悪い予想があたってしまいガッカリ。youtubeやニュースで見たような情報がほとんどをしめており、別段興味を引く事柄も感心する解釈も何も無かった。極めつけが観賞後のインタビューで「日本はとても美しい国で」云々などとプチ・ナショナリストぶっており「馬脚を現した」と言い過ぎたら言い過ぎだろうか。非常に残念だった。ただ唯一興味深かった点は、4/21に設定された警戒区域を、映像作家の立場から「フリーのジャーナリストを自由に立ち入らせないための処置」と言い表していたところ。

これとはきれいな対象をなすように「Nuclear Nation」は "無人地帯"から余儀なく追い出され、埼玉県加須市の高校に避難した双葉町の人たちを丁寧に追いかけたドキュメンタリー。彼らの信頼を勝ち取った監督が生々しい声と現状を映像におさめている。 当事者に迫ることこそ良質のドキュメンタリーを生むという、小川プロのやり方を踏襲している。とても普遍的な方法かもしれない。

最後に「friends after 3.11」について。東京近郊で暮らしている人々が事故の当事者としてどういう事を考えているのか、ということがよく分かって良かった。予想通りの感傷的な演出はまぁこの際どうでもいい。原発事故以降、ただ福島に原発を置いているというポスコロ的な視点や使命感は、NUCLEAR NATIONが抜群だったけど。